1 はじめに
先日、ベリーベスト法律事務所の酒井先生のツイートをみて、ツイートの内容に同意すると共に、自分の経験を踏まえて、「同種事件を集中的に取り扱う」ことについて、勤務弁護士視点で考えたことを書いていきたいと思います。
https://twitter.com/sakaisusumu_vb/status/1614031017949679616?s=20&t=W3gLPD8PHfObKXLaprXZrA
「同種事件を集中的に取り扱う」ということは、企業法務系事務所では当たり前に行われていることであってあえて考察するまでもないように思うので、今回はどちらかといえば一般民事、家事、刑事など個人をクライアントとする弁護士を想定しています。
2 私の経験(交通事故を例にして)
私の場合、交通事故を例にとると、弁護士になってから最初の4年半までで、相談件数としては300件以上、解決件数としては150件以上になります。
その意味で、交通事故については、「集中的に取り扱ってきた」といえると思います。
3 同種事件を集中的に取り扱うメリット
⑴ 自分の型を身に付けられる
同種事件を集中的に扱うと、個別の案件の事情の差異にかかわらず共通する部分(総論部分)が見えてきます。総論部分は、さらに、①その類型の事件にのみ共通する部分、②あらゆる類型の事件に共通する部分の2つに分けられます。
ちなみに、②をまとめたのが「【新人弁護士向け】相談時の話し方マニュアル・総論編」(ただし、これは相談部分についてのみまとめたもので、案件処理部分には言及していません。)であり、また、ここでは公開していませんが、①をまとめたもの(交通事故、刑事、B型肝炎)もあります。
これらの総論部分を身に付ければ、②の型を適用することや、場合によっては①の型を応用することで、他分野の案件にも対応しやすくなると思います。もちろん、様々な種類の案件に対応しながらでも、総論部分(特に②)は見えてくると思いますが、同種案件の場合、個別の事件によって左右される事情が限られる分、より効率的に総論部分を身に付けることができると思っています。
(ここから先は会員限定になります。続きを読むためには会員登録してください。)