１ はじめに
フォーダム大学ロースクール留学体験記⑴の続きです。前回書ききれなかった部分を書いていきたいと思います。
今回は、主にマンハッタンの生活環境について書いているので、フォーダム大学に限らず、コロンビア大学やニューヨーク大学（NYU）などのマンハッタンにある大学に留学をお考えの方にも参考になる部分があるのではないかと思います。
２ マンハッタンの生活環境
フォーダム大学は、ニューヨーク州ニューヨーク市（NYC）のマンハッタンにあります。ご存じのとおり、マンハッタンは、NYCの中心街であり、タイムズスクエアやセントラルパークなど、皆さんがNYと聞いてイメージするNYはマンハッタンであることが多いと思います。
マンハッタンには、フォーダム大学以外にも、コロンビア大学やニューヨーク大学（NYU）といった名門大学が存在し、日本人のLL.M.留学生も数多くいます。もちろん、LL.M.以外の留学生も多いですし、また、日本企業のNYオフィスも多いため駐在の方も多く、マンハッタンにはかなりの数の日本人がいます。
⑴ 治安
マンハッタンは、比較的治安がいいと聞いていたのですが、実際に行ってみると、治安は悪いと感じました。
私自身も、セントラルパークを歩いている時に、突然、知らない人に怒鳴られながら追いかけられ、石や瓶を投げつけられる（割れた瓶の破片が手にあたりましたが、怪我はありませんでした。）という怖い思いをしましたし、私の周りでも、「路上でスマホを壊された」、「路上でスマホを強奪された」、「電車内で肘打ちされた」といったことは、結構頻繁に起きています。まあ、日本と比べると、どこに行っても大抵治安が悪いと思うのですが、アメリカのNY以外の地域に住んでいた経験のある方に聞いても、「マンハッタンの治安は悪い」と言う方が多いので、割と普通に治安が悪い方なのだと思います（ただ、ペンシルベニア大学（Penn）に行っている友人とマンハッタンでランチした時には、「フィラデルフィアはもっと治安が悪い」と言っていました。）。
マンハッタンは、どこを歩いてもホームレスや物乞い、薬物中毒と思われる人がほぼ必ずいます。NYの物乞いは積極的に話しかけてくるのですが、無視して通り過ぎようとした時に、腕をつかまれたこともあります（振りほどきましたが。）。特に、地下鉄は、物乞いが多いのと、なぜか怒鳴っていたりする人が結構いて、トラブルも多く、そこそこ頻繁に警察が対応しているのを見かけます。私がいる間にも地下鉄で人が銃殺される事件がありましたし、また、駅のホームで押されて電車に轢かれて死亡する事件もありました（ホームでは、線路から離れた場所に立ちましょう。）。NYの地下鉄は、「安心して乗れる」とはとても言えない状況だと思います（私は、ほぼ毎日乗っていましたが。）。なお、NYに長く住んでいる人に聞くと、コロナウイルス感染拡大前は今よりずっと治安が良かったとのことでしたので、治安の悪化はコロナウイルスに起因するところ（失業者の増加等）が大きいようです。
マンハッタンの中でも特に北側（ハーレムの方）の治安が悪く、セントラルパークの北端に行ったら、道路の真ん中で泣き叫んでいる人がいたり、大声で喧嘩している人がいたり、なかなか異様な雰囲気でした。ちなみに、そこからさらに北側に行ってマンハッタンから出ると、ブロンクスに入るのですが、ブロンクスは特に治安が悪いことで有名（サウスブロンクスはその中でも特に治安が悪いことで有名です。）ですので、特に用事がない限りは行かない方がいいと思います。とはいえ、私自身も、ブロンクス動物園、ニューヨーク植物園、ヤンキースタジアム、フォーダム大学（ロースクールはマンハッタンにありますが、ブロンクスにメインキャンパスがあり、卒業式はそこで行われました。）に行くために、ブロンクスには何度も行ったのですが、観光地であれば、人も多いですし、特に身の危険を感じることはありませんでした。観光が終わったら余計に街をぶらついたりせず、暗くならないうちに帰るようにすれば、そこまで心配する程ではないのかなと思います。
なお、NYは、全般的に子どもフレンドリーです。道を歩いていても子どもに微笑みかけてくれたり、優しく声をかけてくれたりします。地下鉄でも子どもには席を譲ってもらえます。そのため、子どもを連れて歩いていると、一人でいるよりむしろ安心して歩ける感じはします。一度、子どもを連れいている時に物乞いらしき人に話しかけられたのですが、周りにいた人が間に入って止めてくれたこともあります。
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